〒721-0964 広島県福山市港町1丁目4番24号(福山駅から10分)
お気軽にお問合せください
これまで、相続手続きや相続税の申告をする際に必要な戸籍謄本等一式は、各市区町村の役所等にそれぞれ請求するなどして、揃えるのにかなりの時間と労力が必要でした。
2024年3月1日の戸籍法改正施行により、必要書類の取得がどう変わって、みなさんにどうメリットがあるのか解説していきます。
相続が発生すると、何よりまずは相続人が誰なのかを特定する必要があります。
法定相続分、遺留分、相続税の計算なども、相続人が誰なのか、人数は何人かなどが大きくかかわってきます。
例えば、再婚で初婚の時の子がいるか、養子がいるかなど、相続権がある人を特定するには、「亡くなった方の出生から死亡までの全ての戸籍謄本」が必要になります。
被相続人自身だけでなく、配偶者や親や祖父などの戸籍までさかのぼることで5通くらいになることが多く、これに転籍などがあり10通くらいになることも珍しくありません。
出生から死亡までの全ての戸籍謄本をそろえるには、まずは最後の本籍地で最後の戸籍謄本をとります。
本籍地と居住地が同じなら役所窓口に申請することが多いと思います。
遠方の場合などは申請用紙を役所のホームページからダウンロードし、必要事項を記入し、定額小為替を入れて郵送で申請することが可能です。
最新の戸籍謄本を取得したらこれを見て読み解き、一つ前の戸籍を取ります。
別の市区町村の場合も多く、再度郵送手続などで申請し、取得して読み解き、また一つ前の戸籍を取る。
これを何度か繰り返し、出生までさかのぼります。
かなりの時間と手間がかかります。
上記のような手間や専門知識が必要となると、自分では戸籍をそろえられず、司法書士などの専門家に依頼する人が多かったのですが、戸籍法の改正により戸籍取得が簡単になるため、改正後は自分でそろえることが容易になります。
全国どこの本籍地の戸籍謄本であっても、出生から死亡までの戸籍謄本一式が、最寄りの役所窓口だけで一括で請求できるようになります。
これにより手間や時間を大幅に減らすことができるようになります。
本制度は「広域交付制度」といい、実施時期は2024年(令和6年)3月1日からスタートとなります。
戸籍の一括請求で劇的に楽になる「広域交付制度」ですが、以下のような注意点があります。
相続が発生すると、悲しんでいる間もなく、さまざまな手続きをしなければなりません。
まず出だしの戸籍取得でこの難易度ですから、いきなりのハードルの高さで気が滅入ってしまう人も少なくありません。
そのため専門家に依頼する方が多かったのですが、戸籍法の改正によりかなり戸籍の取得が楽になります。
ただ、楽になったのはあくまでも戸籍の一括請求で戸籍謄本一式を容易に取得できるところまでですので、揃った戸籍謄本一式を読み解いたり、相続人を特定したりするのは、やはり専門家に依頼することになりそうです。
それでは最初から専門家に依頼するのも手ですが、専門家は従来通り一つずつ申請です。
ですので「広域交付制度」を利用し自分で一括請求し、戸籍謄本一式を入手したら専門家に全て読み解いてもらうのがよいかもしれません。