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メルカリなどで自分が持っている物を売った
り、欲しい商品を購入したりした経験があるかも
いらっしゃるのではないでしょうか?
この個人間取引の対象が書籍や洋服、雑貨などで
あれば、売買後の「トラブル」と言っても、それ
ほど大きな問題にはならないだろうと思います。
しかし、不動産の取引の場合には、数々の大きな問題をはらむのです。そこで、不
動産の個人間売買における「売主」がトラブルにあったケースを紹介します
地元に不動産業者に依頼したが、、、
花子さんは、父親から相続を受けた別荘の処分に困っていました。その立地は市街地から離れ、別荘地といっても無名の場所でした。
花子は、数年前から、その物件の地元の不動産屋などに売却の相談をしていました。しかし、まったく売れなかったそうです。
そこで花子さんは、所有する別荘を「ネット掲示板」に「500万円で売却したい」と掲載してみました。すると、一郎さんという方から問い合わせが来ました。
そして、連絡のやりとりの上、実際に会うことになりました。一郎さんは、「以前から環境の良い自然豊かな田舎で、子供を育てたいと思っていた」と、子供の教育について熱心に語ったそうです。
そして、具体的な売買の話が進んでいくと、一郎さんから、次のような相談がありました。
代金500万円のうち最初に200万円お支払いし、残りの300万円は月々50万円の6回分割払いにしてほしい。そして200万円の支払日から、そこに住まわせて欲しい」というのです。
どうしても処分したかった花子さんはこの条件に応じることにしました。
売買契約書は、インターネットから簡単な契約書の雛形をダウンロードし、花子さんが作成しました。
売買契約のあと200万円の支払いを受け、一郎さんが入居した途端、一郎さんと連絡が取れなくなり、分割払いだった残金は一度も支払われませんでした。
困りはてたまま約半年が経過した頃、なんと警察から花子さんに電話がきました。「一郎氏を傷害罪で逮捕したので、家宅捜査したい」と。
不動産の登記簿上の名義は未だ花子さんなので、登記名義人=所有者である花子さんへ警察が連絡してきたのです。警察と別荘に行くと、そこはすでにもぬけの殻。さらに、家の中は驚くほど改造され、かつ荒れ放題でした。庭には大きな穴が掘られ、大量に何かを燃やした後が残っていました。
警察曰く、
「一郎氏は複数の人間を雇ってこの家に住まわせ、タコ部屋のように使っていた。そして、この家から毎日、その従業員を現場に通わせていた。しかし、ある現場で業者との間でトラブルが発生し、言い争いの中で一郎氏が相手会社の従業員を刺し、事件になった」と。
しかも、一郎さんは前科のある反社会的組織の一員だと言うのです。違法薬物を使用していた疑いがあり、その薬物を家に隠しもっているのではと警察が家宅捜査を依頼してきたとのことでした。
おそらく一郎さんは、不動産業者を仲介業者として不動産の取引をすると、自分は借りることも買うことも難しいと考え、不動産業者を入れず個人間売買ならどうにかなるかもしれないと今回の行動にでたものと思われます。
しっかりした不動産業者であれば、契約の事前に相手方が反社会的組織ではないかの確認を行なっていたと思われます。
不動産業会にはチェックできるデータベースがあり、そこに照会を行うことができるからです。また代金全額が支払われていない状況で別荘を買主に引き渡すような契約はまずしなかったでしょう。
知らない相手方と不動産業者をいれずに個人間でのみ取引をされる場合には、よくよく見極めて取引をしないと犯罪に加担することになってしまうという事例でした。
不動産業者に取引をお願いすると売買代金の3%を報酬として支払う必要がありますが、自分の身を守るためには必要経費と考えることもできます。