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「相続した不要な土地を国に放棄できる制度」
前にも同じようなことをお話したことがあるのですが、新しい情報も増えましたので、再度発信したいと思います。
この法律は令和3年4月21日に成立しましたが、すぐにこの制度が始まるわけではありません。実際に運用されていくのは、だいたい2年後、おそらく令和5年頃ではないかなと思います。
いつの時点の相続に適用があるのかというと、それも明確には定められていません。この法律の中には特にこの点に関する定めは置かれていないんですね。
ですから、この法律が施行された後に生じた相続に適用されるのは当然として、それ以前の相続にも適用があるのではないかなと予想しています。
次に、この手続き利用する場合の手順です。大まかには次のようになります。
相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限られます)により土地を取得した相続人は、その土地の所有権を国庫に帰属させるように、法務局に「申請書」を提出します。
その際、法務局に提出するものは以下の物です。
• 申請書
• 添付書類
• 審査手数料
申請書や添付書類の具体的な様式などはこれから定められる予定です。また、審査手数料(おそらく収入印紙で納付)も現時点では決まっていません。
申請をしても常に承認・許可されるわけではありません。国庫に帰属させるためにはあとで説明するような厳しい要件をクリアしている必要があります。
申請を受け付けた法務局は、事例によって職員による現地調査や、申請人・その他の関係者からの事実の聴取、追加資料の提出要求などをする権限が与えられています。
無事に国への引き渡しが承認された場合には、申請者に対し「承認通知」とあわせて「負担金の納付通知」がされます。
負担金とは、国がこの土地を管理するのにかかる費用のことです。土地の管理費用とは、具体的には柵・看板設置費用、草刈、巡回費用などを指します。
この管理費用は10年分を負担金として納付するように法律で規定されましたが、具体的な金額の算定基準などは「政令」で別途定められる予定です。
参考として、200㎡の国有地(宅地)の10年分の管理費用は、約80万円程度となっています。田・畑などの場合で管理の手間がさほどかからない場合には20万円などと様々なようです。
この負担金は10年ごとに納めるというものではなく、最初の1回のみ納付するものとなります。
負担金は、納付通知を受けた日から30日以内に納付する必要があります。もし納付しない場合は「承認通知」は当然に失効します。つまり、お金を払うのを忘れていた場合には、せっかく土地の放棄ができるところだったのに取り消されることになってしまうようです。
以上に定めるほか管理するのに過分の費用・労力を要する土地
以上の10項目になっています。
まだまだ不明確なことが多い制度ですので、そこまで期待してはいけないかなと個人的には思っています。
しかし、いらない不動産で困っている方は非常に多くて、相談をよく伺いますので、その解決策になってくれることに期待します。